コラム2026.02.01
古民家とコーヒーと、蔵前の街のこと
風珈琲が蔵前の地に店を構えたのは、2023年の秋のことでした。開業場所を探して東京中を歩き回っていた私が、この築60年の古民家と出会ったのは、まさに偶然でした。
蔵前という街には、不思議な魅力があります。かつて問屋街として栄えた面影を残しながら、近年はクラフト系のショップやギャラリーが集まり、新旧が混在する独特の空気感を持っています。
この建物を初めて見たとき、古い木材の温もりと、窓から差し込む柔らかな光に心を奪われました。「ここでコーヒーを淹れたい」という直感は、今でも間違いなかったと思います。
改装にあたっては、できるだけ元の建材を活かすことにこだわりました。1階のカウンターには元の梁を再利用し、2階のワークショップスペースは畳の間の趣を残しています。
蔵前の街を歩いて、ふらりと立ち寄っていただけるような。そんな場所でありたいと、日々コーヒーを淹れています。

